気象庁の異常気象分析検討会(会長・中村尚ひさし東京大教授)は10日に臨時会を開き、7月上旬の西日本豪雨と、その後の記録的猛暑は、ともに偏西風が大きく蛇行したことによって起きたと分析。

 「(30年に1度以下の頻度で起きる)異常気象の連鎖と考えられる」とする見解を発表した。

 西日本豪雨は、偏西風の蛇行によって停滞した梅雨前線に、大量の水蒸気が流れ込んだ。その後の猛暑も、蛇行によって太平洋高気圧と大陸のチベット高気圧が日本付近で重なって起きた。下降気流で大気が圧縮され、気温が上昇したという。

 検討会は、こうした豪雨と猛暑は、ともに長期的な地球温暖化が影響しているとの見解を示した。将来の見通しについて、中村会長は「条件が重なれば更に暑い年もあるだろう。今回のような豪雨災害は、この先も起きると覚悟し、備えていくべきだ」と話している。

 今年は日本だけでなく、欧州や米国の一部が猛暑と乾燥に見舞われたり、北極圏の一部が30度を超す猛暑となったりするなど、異常気象が世界各地で起きている。検討会は、こうした現象も、北半球上空の偏西風が北に大きく蛇行した結果、中緯度での7月の気温が平年より約1・5度高くなったことが背景にあるとした。

2018年08月11日 12時19分
YOMIURI ONLINE
https://www.yomiuri.co.jp/science/20180810-OYT1T50091.html