サマータイムの終了する時、その前後で2時間重複する時間帯がある。
午前0時になったとたん、前日の22時とする形になるからだ。
8月31日に終了するものとして、サマータイムがなければ9月1日午前1時となる時間帯の録画予約をしようとする場合、対応できるレコーダーはあるのか?
たかが録画予約ですら、対応されていない。
これが医療機器や工場全体を統括するシステムであった場合、果たしてどうなるのか?
鉄道運輸部門でも問題が生じる。深夜も運行するJRなどでは、サマータイム開始時と終了時にそれぞれ特別なダイヤを組みなおす必要がある。
それ以外にも各種法令との整合性をとるため、現場で混乱が生じることは必至である。
通常の勤務であれば問題ないが、深夜に2時間も時間が増えるということは、休憩時間などを新たに設定する必要がある。
労基法では連続して4時間を超える労働を行った場合、休憩時間を設定することが定められている。
通常の勤務であれば必要のない休憩を、サマータイム終了時に特別に設定する必要が出てくる。これに対応するため、当日の人員すら増やす必要のある場面もあるだろう。
かつて日本が経験した1940年代のサマータイムとは異なり、現代では就労の形だけでも大きく変化している。
まして当時は存在しなかったタイマー内蔵の危機は全国で1億台をはるかに超える。
これら全てに対応するためには、2年やそこらでは絶対に足りない。
強引にサマータイムを導入するリスクは、極めて大きい。
生じうる社会的混乱を想定するなら、決して導入すべきではない。