石破氏の主張には、こうしたことを暗に強調する戦略が見え隠れする。
石破派幹部は、来年の参院選で自民党が苦戦した場合を考え「首相との対立軸を鮮明にした方が『ポスト安倍』の近道になる」と計算する。
平成24年総裁選で争った首相と石破氏は「生理的に合わない水と油の関係」(党幹部)との評価がもっぱらだ。
石破氏は首相の政権復帰当初に幹事長を務めたが、26年は安全保障法制担当相就任を固辞し、27年に石破派を創設した。
28年には閣内残留も拒んだ。
ただ、こうした姿勢は支持拡大につながっていない。石破派の人数は創設時から増えておらず、
党幹部は「首相と異なる政策を掲げたとしても、党内で汗をかかずに野党と同じような批判ばかりしては、支持が広がるはずがない」と
石破氏の政治姿勢を批判する。
吉田博美参院幹事長ら参院竹下派は、引退後も強い影響力を持つ青木幹雄元参院議員会長の意向を受け、石破氏支持を決めた。
しかし、首相の信頼が厚い吉田氏は、心情的には首相支持だ。石破氏が首相批判を強めれば、貴重な支持層の信頼を失うことになる。
首相陣営の幹部は今回の総裁選で圧勝し
「石破氏を完膚なきまでにたたき、『ポスト安倍』の芽を断ちたい」とまで語る。石破氏の戦略が吉と出るか凶と出るかは間もなく明らかになる。
https://www.sankei.com/politics/news/180811/plt1808110003-n3.html