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トランプ氏、ハーレーダビッドソン不買運動を支持 関税上昇めぐり
2018/08/13 6時間前

ドナルド・トランプ米大統領は12日、米二輪車メーカー、ハーレーダビッドソンのバイク所有者による不買運動の計画を「素晴らしい」とツイートした。米国と欧州連合(EU)間で報復関税の実施が続き、ハーレーダビッドソンは6月、EUからの関税を回避するため、生産拠点の一部を米国外に移転すると発表していた。

トランプ氏はツイッターに、「多くのハーレーダビッドソン所有者が、生産拠点を海外に移転する場合に同社製品の不買運動を計画している。素晴らしい! ハーレーの競合を含む他社のほとんどは、僕たちの方向性に加わりつつある。(ハーレーの選択は)実に悪い動きだ! 米国はすぐに公平な競争の場、あるいはそれ以上になるだろう」と投稿し、鉄鋼やアルミニウムの輸入に関税をかける同氏の決定に多くの会社が同意しているとした。

トランプ氏はこれまでにもハーレーダビッドソンの生産拠点移転を攻撃し、同社により高い税金を課すと警告している。
ハーレーダビッドソンはトランプ氏による最新の批判にコメントしなかったものの、しかし、先月米CNBCが実施した同社のマシュー・レバティッチ最高経営責任者(CEO)とのインタビューに言及した。
インタビューでレバティッチ氏は、「いかなる場合でも、米国から世界に供給するのが」ハーレーダビッドソンの優先事項だとした。

しかし、ハーレーダビッドソンが過去20年にわたって国際的な生産力に投資してきたのは、「ある市場における貿易や関税の状況が」、国際拠点への投資無しでは同社の生産を「法外な額に」するからだとレバティッチ氏は述べた。
同氏は「我々が国際拠点に投資しているのは、会社にとって投資地域が重要な成長市場だからというだけだ。これらの投資がなければ、こうした地域の顧客に妥当な値段の製品を提供できない」と話した。

利益に打撃

ハーレーダビッドソンは先月、貿易関税が痛手となり、今年の利益率が昨年の半分になる可能性が高いと通告した。
EUの関税とアルミニウムや鉄鋼の価格上昇により、同社は今年、4500万〜5000万ドルの追加費用を見込んでいる。
ハーレーダビッドソンは6月、「かなりの」負担となるEU関税を回避するため、二輪車生産の一部を米国から移転すると発表した。

同社は組立工場を米国のほか、オーストラリア、ブラジル、インド、タイに所有している。しかしどの工場が追加生産を担うのかは明らかにしていない。
今春から発効している鉄鋼とアルミニウムの輸入に対する関税について、トランプ氏は米国の鉄鋼とアルミニウム産業を保護するのに必要だとしている。同氏はこれらの産業が国家安全保障に重要だと主張している。

米国が関税を課したことで、EUやカナダ、メキシコ、インド他の国々が報復関税を実施した。した。これにより、米国の生産者は金属価格の上昇に直面している。
米国はまた、中国からの数百億ドル規模の輸入品に輸入関税をかけるとも通告しており、そのうち一部は既に発効している。さらに米国は、海外メーカーの車や自動車部品への関税も検討している。
(英語記事 Trump backs Harley-Davidson boycott in tariff row)

https://ichef.bbci.co.uk/news/410/cpsprodpb/A9B4/production/_102944434_harley.jpg