「山の日」の11日未明、富士山の登山道は、山頂でご来光を拝もうとする登山者で激しく混雑した。
山梨、静岡両県は「混雑予想カレンダー」で11日を「特に混雑」とし、平日に登るように呼びかけていたが、週末やお盆に集中する登山者の分散にはつながらなかったとみられる。

吉田口登山道では午前3時頃、山頂直下から8合目付近まで、ヘッドランプをつけた登山者の長い列ができた。
ゆっくりとしか進まず、渋滞で立ち止まったままになることも。
さいたま市の男性会社員(60)は「前を歩いていた人が倒れてきて将棋倒しになりそうだった。これほど混雑すると危険だ」と険しい表情で話していた。

富士山は2013年、巡礼者の信仰の対象となってきた神聖さなどが評価されて世界文化遺産に登録された。
ただ、国連教育・科学・文化機関(ユネスコ)は、夏の多数の登山者が神聖な雰囲気を阻害しているとして、登山者数の抑制を求めた。

登山者が集中するのは週末やお盆のため、国や山梨、静岡両県は、混雑しそうな日がわかる混雑予想カレンダーを公表することで、
週末やお盆を避け、登山者が少ない平日に登るように呼びかけるなどの抑制策を今年3月にまとめた。国は、抑制策を盛り込んだ報告書を11月末までにユネスコに提出する。

友人らと訪れた埼玉県川越市の女性保育士(31)は「混雑予想カレンダーを見て混雑することは知っていたが、週末しか休めないので日程の変更は考えなかった」と話していた。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20180811-OYT1T50107.html

登山道
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