https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-08-14/PDFBW46JTSEA01

仮想通貨イーサリアムが急落−ICO実施企業による換金巡る懸念で

Camila Russo、Olga Kharif
2018年8月14日 10:29 JST
→週明け13日には一時17%安と3月以来最大の下げ
→ICO実施企業の換金売り、費用負担と仮想通貨の弱気相場が背景

仮想通貨イーサリアムのブロックチェーン技術を活用したイニシャル・コイン・オファリング(ICO、新規仮想通貨公開)は、昨年のイーサリアム急伸の原動力の1つになったとみられているが、今度はそれが下落の原因と考えられている。

  13日の取引でイーサリアムは一時17%安と、3月以来の大幅な下げとなった。一時は1イーサ=285ドルまで下げ、昨年11月以来の300ドル割れとなった。今年に入ってからの下落率はビットコインの54%に対し、イーサリアムは約60%。

  イーサリアムが2月に1000ドルを突破した背景には、新興企業がイーサリアムのブロックチェーンを土台にしたプロジェクトを立ち上げ、発行したトークンをイーサリアムと交換するICOによる資金調達を実施したことなどがあった。こうしたICOに参加する投資家の買いがイーサリアムを押し上げていた。しかし、費用を賄うための資金確保に加え、仮想通貨の弱気相場が長引くといった懸念から、これらプロジェクトを立ち上げた企業の間で換金の動きがあると、仮想通貨のクオンティテーティブ・ヘッジファンドのブルームウォーター・キャピタルを率いるビスワ・ダス氏は分析している。

  ダス氏は「これら新興企業は大量の資金を調達しているが、資金管理やキャッシュマネジメントの経験が不足しているため、あまりにも早期に売りに動き、市場への大きな圧力となっている」と指摘した。

題:Ether Tumbles as Concern Increases That ICOs Are Cashing Out(抜粋)