記念貨幣
大型イベント目白押しで発行ラッシュ
毎日新聞 2018年8月30日 20時24分(最終更新 8月30日 23時01分)
政府の記念貨幣が発行ラッシュとなっている。天皇陛下の在位30年や東京五輪・パラリンピックなど、大型イベントが目白押しのためだ。祝賀ムードを盛り上げる目的で発行される記念貨幣だが、発行による「利益」も見込まれ、財政難の国の収入増にも一役買いそうだ。
記念貨幣は、皇室の慶事や、国際スポーツ大会の日本開催、国際空港の開港など大型イベントを記念して発売される。2018年度は、過去の出来事から数えて節目の年が重なることや東京五輪を控えていることもあり、記念貨幣の発行がなかった17年度から一転、4種類が発行される。財務省は既に小笠原諸島復帰50年を記念した1000円銀貨を発売したほか、8月には明治元年(1868年)から150年の節目を記念した1000円銀貨も発売した。また、20年の東京五輪・パラリンピックの記念貨幣の第1弾として1万円金貨など5種類も発行する。五輪の記念貨幣は開催までにあと3回発行するほか、来年は皇太子殿下の即位を記念する貨幣を発行する予定。
記念貨幣が初めて発行されたのは1964年の東京五輪で、1000円銀貨と100円銀貨の計9500万枚だった。今回の天皇陛下在位30年記念を含め、累計で39テーマ179種類となる。
金や銀を使った記念貨幣などの販売価格は額面よりも高く、売り上げから原価や加工費用を差し引いた「利益」は貨幣法によって国庫に納付されることになっている。造幣局によると、18年度の納付金は前年度比約10倍の64億円となる見込み。最近では東日本大震災の復興事業の記念貨幣など発行が多かった15年度の68億円に次ぐ高い水準だ。1000兆円を超す国・地方の債務残高から見れば限られた金額だが、財政面でプラスに寄与する。【大久保渉】
政府が今年度発行する主な記念貨幣
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