https://ja.wikipedia.org/wiki/学問のすゝめ

明治維新直後の日本国民は、数百年変わらず続いた封建社会と儒教思想しか知らなかった。
本書は国民に向かい、欧米の近代的政治思想、民主主義を構成する理念、市民国家の概念を
平易な比喩を多用して説明し、儒教思想を否定して、日本国民を封建支配下の無知蒙昧な民
衆から、近代民主主義国家の主権者となるべき、自覚ある市民に意識改革することを意図す
る。また数章を割いて当時の知識人に語りかけ、日本の独立維持と明治国家の発展は知識人
の双肩にかかっていることを説き、自覚を促し、福澤自身がその先頭に立つ決意を表明する。
後半の数章で、生活上の心構え等の持論を述べて終わる。

文体は平易ながら、明治維新の動乱を経て新しく開けた新時代への希望と、国家の独立と発
展を担う責任を自覚する明治初期の知識人の気概に満ち、当時の日本国民に広く受容された。
おそらく近代の啓発書で最も著名で、最も売れた書籍である。最終的には300万部以上売れた
とされ[1]、当時の日本の人口が3000万人程であったから実に全国民の10人に1人が買った
計算になる。