南島原市の権現脇遺跡で見つかった眉山の噴火による倒木跡=2013年3月
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倒木痕の発掘調査の様子(南島原市教委提供)
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 南島原市教育委員会は13日、権現脇(ごんげんわき)遺跡(同市深江町大野木場)で確認されていた多数の倒木痕について、約4千年前の縄文時代に眉山の火山活動で発生した火砕サージ(火砕流に伴う熱風)で倒れたことが新たに分かったと発表した。

 市教委によると、雲仙・普賢岳の土石流被害を防ぐ砂防ダムなどの建設工事に伴い、同遺跡の発掘調査を2002〜16年度に実施。約3千年前(縄文時代末〜弥生時代初頭)を中心に、倒木痕78基や土器片など10万点以上が出土した。

 炭化した倒木の分析の結果、倒れた年代を約4千年前と特定。多くの倒木が約2キロ離れた眉山の天狗岳付近から放射状に見つかっており、天狗岳を形成した溶岩ドームの崩落による火砕サージの爆風で樹木が倒されたと結論付けた。

 市文化財課の本多和典学芸員は「人々の営みと火山活動が分かる貴重な遺跡。どのような活動が起きたのかを知ることで防災に生かせる」と話した。同遺跡は砂防ダムなどの建設で土中に埋もれている。

西日本新聞 2018年09月14日 06時00分
https://www.nishinippon.co.jp/nnp/nagasaki/article/449442/
読売新聞 2018年09月14日
https://www.yomiuri.co.jp/kyushu/culture/history/20180914-OYS1T50061.html