脳そのものに取り付けた電極を使って考えている内容を読み取り、シミュレーターでステルス戦闘機「F-35」を飛ばすことに成功していた技術がさらに進化し、今度は3機のドローンの群れを操縦することができるようになりました。
さらにこの技術では、操縦者はドローンからの信号を受け取ることも可能になっており、双方向にやり取りをしながら操縦できるようになっているとのことです。

この技術は、アメリカ国防総省の一機関である国防高等研究計画局(DARPA)が開発を続けてきたもの。
DARPAは2015年、四肢が麻痺した女性の脳に電極を埋め込み、考えるだけでシミュレーター上の飛行機を操縦させることに成功しており、今回の技術はその延長線上にあります。

「考えるだけ」でロボットアームを自在に操る女性がステルス戦闘機F-35を飛ばすことにも成功 - GIGAZINE
https://gigazine.net/news/20150412-woman-fly-f-35-mind/

2018年9月6日、DARPAは設立60周年記念式典の中でこの技術の発表を行いました。
DARPAのバイオテクノロジー部門を率いるジャスティン・サンチェス博士はその席で、「今日の時点において、脳の信号を使って1機だけではなく3機の航空機を同時に操縦することが可能になりました」と述べています。

さらに重要なのは、この技術ではシミュレーター上の航空機から送られてくる信号が操縦者の脳に直接入力されるところにあります。
実験には、四肢が麻痺したネイサンと言う名前の男性が参加しており、脳に取り付けられた電極を通じて航空機との「コミュニケーション」を実施。
サンチェス氏は「航空機からの信号は脳に直接送り返され、パイロットの脳は環境を認識することが可能です」と語っています。

実験の詳細な様子は明らかにされていないようですが、今回の技術を言い換えると、麻痺した手足の代替として脳波を使って航空機を操縦するだけでなく、航空機の状況を把握しながら総合的にコントロールすることが可能になっている模様。
操縦者の頭の中でどのような光景が見えているのか非常に気になるところですが、まさに「テレパシー」ともいえるような技術が実現しようとしているのかもしれません。

DARPAはこの技術を「ほんの数カ月前」に実現したとのこと。
急速に発展している脳コンピュータインターフェース分野において非常に画期的な進歩といえる今回の発表は、いずれはガンダムシリーズに登場する遠隔操作型機動砲台「ファンネル」の実現を期待してしまうものといえそうです。

ファンネル - YouTube
https://youtu.be/NU_TTuS0LDc

https://gigazine.net/news/20180914-darpa-brain-wave-drone-control/