https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181006/k10011660731000.html

先月6日、北海道で震度7の揺れを観測した地震で、被災地の住民が情報を得るのに最も役に立ったのは「ラジオ」で、
携帯やスマホを上回っていることが専門家の調査でわかりました。

東京大学大学院の松尾一郎客員教授のグループは、北海道の地震で被害があった厚真町や札幌市などの住民を対象に
インターネットでアンケートを行い、661人から回答を得ました。

地震発生の当日に困ったことを複数回答で尋ねたところ、「テレビなどが停電で使えず状況がわからなかった」が最も多く79%でした。

停電で困ったことについて「携帯電話の充電ができなかった」と答えた人も57%いて、当時、北海道で発生した大規模な停電によって、
情報を得るのが難しくなっていた実態が改めて浮き彫りになりました。

こうした中、情報を知るために役だったものを複数回答で尋ねたところ、「自宅のラジオ」が55%と最も多く、
次いで「携帯電話やスマートフォン」が50%でした。さらに、「家族や知人を通じて」が19%、「自宅のテレビ」が15%でした。

松尾客員教授は、「数時間で充電がなくなるスマホに比べ、ラジオは乾電池で数日は動くため、有効な情報の入手手段になったのだと思う。
一方、スマホも情報入手の重要な手段になっていて、あらかじめバッテリーを準備するなどして災害時の停電に備えてほしい」と話しています。