富山市の交番で6月、警察官が刺殺され、奪われた拳銃で警備員が射殺された事件で、富山県警は9日、警察官に対する強盗殺人容疑などで、元自衛官島津慧大容疑者(22)を10日にも逮捕する方針を固めた。捜査関係者への取材で分かった。

 捜査関係者によると、島津容疑者は現場に駆け付けた警察官の発砲を受け入院していたが、県警は容体が回復したと判断。事件の経緯や動機の解明を本格化させる。

 事件は6月26日午後2時すぎに発生。島津容疑者は県警富山中央署奥田交番の裏口付近で、所長の稲泉健一警視(2階級特進)=当時(46)=を刃物で三十数回刺すなどして殺害し、拳銃を強奪。約100メートル離れた市立奥田小学校正門付近で警備員中村信一さん=同(68)=を射殺した。

 同署員2人が駆け付けて拳銃を発砲。弾は島津容疑者の腹部に命中し、署員が中村さんへの殺人未遂容疑で現行犯逮捕した。同容疑者は一時重体となったが意識が戻り、下半身不随の状態で長期入院していた。

 捜査関係者によると、同容疑者は襲撃時、なたのような刃物とナイフを所持。交番の裏にも刃物1本が落ちていた。県警は同容疑者宅の家宅捜索でライフルやマシンガンなどのモデルガン十数丁、ナイフ数本を発見し、動機形成に影響したと考えられる書籍五十数冊も押収。事件前の言動を調べるなど捜査を進めていた。

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