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以下に『大麻植物および大麻樹脂 セクション3:毒物学』全文を翻訳しておく。

【事前報告書】WHO:薬物依存専門家委員会(ECDD) 2018年6月4-8日
http://www.who.int/medicines/access/controlled-substances/ecdd_40_meeting/en/

大麻植物および大麻樹脂 セクション3:毒物学
http://www.who.int/medicines/access/controlled-substances/Section3.CannabitPlant.Toxicology.pdf

1.毒物学

大麻使用に伴う可能性のある毒性の証拠の大部分は、治療有効性を評価するために
使用されたプラセボ対照無作為化比較試験(RCT)ほど厳密ではない観察的集団ベースの
研究に由来する。

大麻の可能性のある毒性を評価する際には、観察的な集団ベース研究の限界を
念頭に置かなければならない。

そのような研究は、複数の交絡因子と、因果関係を明白に推論する証拠を
作り出すことができず制限されている。

さらに、悪影響の利用可能な証拠の大部分は、自己管理された大麻が
規制されていない品質のものであり、煙の吸入によって投与される、
違法で嗜好的な状況での使用を含む。

医療大麻、特に経口で消費される規制された大麻製品の使用の増加は、
大麻の毒性効果が医薬用途の状況において最小限に抑えられるかどうかを
評価する将来の機会を提供する。

1.1致死量

大麻は比較的安全な薬物であり、急性の致命的な過剰摂取に関連していない。

国立科学アカデミー・オブ・サイエンス・エンジニアリング・アンド・メディスン(NASEM)の
最近のコンセンサス報告では、大麻使用と全死因死亡率の上昇と、ヒトの過量致死率
との間の関連性を裏付ける証拠が不十分であると結論づけた。

動物における大麻の主な精神活性成分であるΔ9-テトラヒドロカンナビノール(Δ9 -THC)の
致死性試験は、死亡率を引き出すために必要な投与量が、ヒトによっておそらく消費される
量をはるかに超えていることを示している。

(つづく)