茨城県にある「JRRー3」という原子力の基礎研究から産業にも利用されている原子炉が、再稼働の前提となる審査に事実上合格しました。運営する日本原子力研究開発機構は、運転の長期間停止で海外に移っていた研究を再びできるようにしたいとしています。

茨城県東海村にある「JRRー3」は国産初の研究用の原子炉で、原子力の基礎研究から産業にも利用されてきましたが、福島第一原発の事故を踏まえた新しい規制基準に適合するための安全対策を施す必要があり運転を停止しています。

原子力規制委員会は10日の会合で、地震や津波などへの対策が妥当だと確認したとして、規制基準の審査に事実上合格したことを示す審査書の案を全会一致で取りまとめました。

JRRー3は、大学や企業が原子炉から出る中性子を使って物質の構造を調べる実験や半導体部品の開発などに利用していて、日本原子力研究開発機構は「運転が長期間停止し、多くの研究者が海外に移っていたが、再稼働させて国内の研究環境を整えていきたい」と話しています。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181010/k10011665731000.html