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40年間にわたり監禁生活を強いられ奴隷として扱われてきたひとりのイギリス人男性が、このほど密告により救助されるというショッキングなニュースがイギリスから飛び込んできた。『BBC News』『The Guardian』などが伝えている。

あろうことか先進国イギリスで、長年にわたって現代奴隷の犠牲となってきた58歳の男性が10月3日の朝、救助された。労働者供給事業(ギャングマスター)および労働搾取監視局(Gangmasters and Labour Abuse Authority 以下GLAA)がconfidential helpline(機密情報ヘルプライン)にかかってきた一通の通報を受け、カンブリア州カーライル北部にある居住地へ奇襲をかけたのである。

男性は、16歳もしくは17歳の頃から40年以上にわたり79歳の男によって奴隷生活を強いられていたようだ。救助された男性は、小さな木製の小屋に監禁されていたとみられ、発見された時には小屋の中でちょうど服を着ていたところだったという。小屋の中には薄く汚れたカーペットが敷かれてあり、ガーデンチェアとTV、汚れ切った寝具、壊れた電気ヒーターがあった。

現場を目の当たりにしたGLAA職員のマーティン・プリマーさんは、このように話している。

「40年間、小屋に閉じ込められた人物がいるとの情報があり、救助に向かいました。我々の姿を見た男性は、まるで突然ヘッドライトに照らされたウサギのように怯えて困惑していました。小屋の床には汚れた寝具があり、ヒーターも無くとても寒い状態で、到底人間が生活できる環境ではありません。男性がこれまでに逃亡を図ろうとしたことがあったか否かについては、今の時点では不明です。ですが、長年の監禁生活がトラウマとなっていることは間違いなく、男性はこれからゆっくりと治療をしていくことになるかと思われます。私自身、これまでのキャリアでこのような状態で奴隷として監禁されていたケースは見たことなく、我々が対応する中でも、最も長期間にわたる奴隷監禁事件といえるでしょう。」

なお今後、男性には専門の医療スタッフによる検査や精神鑑定が行われる予定であり、男性を監禁していたとされる79歳の男は、現代奴隷法違反の容疑で逮捕されている。

画像は『BBC News 2018年10月3日付「Cumbria slavery probe: Man ‘lived in shed for 40 years’」(GLAA)』のスクリーンショット

(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)

10/8(月) 05:00
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