半藤一利・出口治明 幕末・明治の人物の評価

西郷隆盛
●半藤=出口さんは、どちらがお好きですか。●出口=僕は保守主義者でリアリズムのほうが性に合っていますので、日本という国のためには、毛沢東的な西郷が早い段階で中央政府からいなくなって、
(周恩来や)ケ小平的な大久保が権力を握ったことが結果的には良かったと思っています。
明治政府は廃藩置県を行ないました。それまでの藩を潰して大名を全否定する大改革ですから、並大抵の仕事ではありませんよ。
これは西郷隆盛という大物を引っ張り出したからこそできたことです。その後、岩倉使節団が出発してからは、新橋から横浜までの鉄道開業、太陽暦の採用、徴兵令などが続きます。
さらに、政府への旧幕府の(勝、榎本武揚などの)人材登用も西郷さんがどしどしやりました」