ジョージ・ソロス
ハンガリーブダペスト生まれのハンガリー系ユダヤ人の投資家、慈善家である
クリントン政権時代にはソロスの著書に共鳴したクリントン大統領によって
外交問題評議会 (CFR) に在籍した。ソロスはまた、ビル・ゲイツやウォーレン・
バフェットらと共に、(超)富裕層への一層の増税を求める共同声明に名を
連ねている一人である

・2013年、アベノミクスの量的緩和政策による円安相場で10億ドルの利益を得る。
また同年にクォンタム・ファンドは、55億ドルもの利益を上げた。
これはヘッジファンド史上最高額であるという。

・2006年に著作の邦訳の出版に合わせて来日したソロスは、当時国際的に話題
になっていた靖国神社問題への関心から、靖国神社と遊就館を訪問。
特に後者について、「侵略戦争を正当化している」と憤慨した。
同問題については「もし多くの日本の人々が近隣諸国の人々と大きく異なる
歴史観を持つようになったとしたら、その違いが将来に深刻な問題を生み出す」
とも語っている。

同年に邦訳出版された『世界秩序の崩壊─「自分さえよければ社会」への警鐘』
("The Age of Fallibility")の中では、冒頭で日本の読者に向けて次のように
述べている:
あと数年を経ずして、日本は将来の経済及び国家安全の政策において、いくつ
かの大きな選択を強いられるだろう。日本は、その「世界相互依存の戦略」を破棄
してしまうのだろうか?
 かつて日本は、この戦略こそ、「正常な国家」とはいかなるものかという新
たな模範を、世界に指し示す道なのだと誇らかに宣言した。日本は、世界及び各地
の主要な国際統治機関の支援、困窮はなはだしい地域に対して行ってきた感銘措く
能わざる規模の援助と救済によって、恐怖を手段とするよりも信頼の構築を旨と
する国際社会に対して、鮮烈なインスピレーションの泉源となり、投資の対象と
なってきた。
 ところが、ここに、皮肉にも愚かな事態が起きた。近隣の大国・中国が基本的
に多極主義を受け入れ始めた矢先、アメリカ合衆国が正反対な方向へと動き、
国際的な諸制度への疑念を強め、最近の国家安全保障面での難題に対して大幅に
一極主義的な治療策を遂行したのである。
 日本は、この両国の板挟みになった。かたや最大のパトロンかつ保護国ながら、
昨今益々世界の多くの国々との折り合いが悪くなってきたアメリカ。
かたやその経済的繁栄を持続させ確保すべく国際的システムにおいて安定と
現状維持を志向しつつある中国。
 アメリカとの二極主義、国家安全保障面でのアメリカの大盤振る舞いへの
依存度を減らすには、日本は如何なる未来図を想定する必要があるのか? 
また、戦後の方針を決定してきたいくつかの装置、すなわち、軍事力を攻撃
ではなく防衛のみに絞ることを謳った憲法第九条、核兵器とその開発の忌避、
ますます相互依存の度を強めてきた世界秩序への志向、これらの装置を改変
すべきか否か?

完全に悪魔ですわ