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https://ja.wikipedia.org/wiki/臣民の道

第一章の「世界新秩序の建設」では世界市場の秩序転換と大東亜共栄圏構築につい
て述べ、その指導者として世界を道義的に再建する使命、挙国一致体制・高度国防国家
の重要性を説いている。その中で個人主義・自由主義・功利主義・唯物主義を否定する
に留まらず、「ナチス主義・ファッショ主義の勃興」を「個人主義・自由主義等の幣を打開し
匡救せんとしたもの」とし、こうした新しい潮流に関心を抱くことは「西洋文明の將來、
ひいては新文化創造の動向を示唆するものとして注目すべきことである」というように、
ドイツやイタリアへの協調姿勢から民族主義・全体主義を受け入れる様子が把握できる。
総力戦体制の早急な整備が必要であるとしていることから、対英米開戦を前提としている
こともうかがえる。

第二章の「國體と臣民の道」では刊行前年の皇紀2600年記念祝典に関連し、古事記など様々
な史料を引用して神国たる所以や忠君について述べている。それを踏まえ「臣民の道の實踐
に於いて億兆これ一でなければならぬ」として万民の一心同体を強調し、徹底した家族国家
観のもと「我等はまた大御心を奉體し、父祖の心を繼ぎ、各々先だつて憂へ後れて樂しむ心
掛けを以つて率先躬行し、愈々私を忘れ和衷協同して、不斷に忠孝の道を全うすべきである」
と説いている。実践すべきとする具体例は第三章にあるが、「国体の本義」がその基となっている。