J BarrettとM Hurlesたちは今回、DDD(Deciphering Developmental Disorders)研究の重度神経発達障害の患者6987人についてゲノム規模関連解析を行い、一般的には主に単一遺伝子性疾患であると推定されている、これらのまれな疾患のゲノム構造を示している。これらの疾患と単一バリアントとの有意な関連は見つからなかったが(これは臨床表現型の不均一性と標本サイズに関係している可能性がある)、多遺伝子性リスクスコアと伝達不平衡試験を用いることで、リスクの分散の約7.7%が遺伝性のありふれた遺伝的変動に起因すると推定された。また、この多遺伝子性リスクスコアと、より低い学歴、低下した知能、統合失調症リスクに相関があることも示された。これらの解析から、まれな遺伝的変動とありふれた遺伝的変動の両方が、まれな重度神経発達障害の疾患リスクと臨床症状に寄与することが実証された。

Nature Asia 2018年10月11日
http://www.natureasia.com/ja-jp/nature/highlights/94564