ペンス米副大統領が日米物品貿易協定(TAG)交渉を「自由貿易協定(FTA)」と発言した問題で、ホワイトハウスがFTAではない言葉に置き換えて公式文書に残していたことが10日、分かった。FTAではないとする日本政府の立場に配慮したとみられ、この文書は交渉を担う茂木敏充経済再生担当相が「副大統領はFTAという言葉を使っていない」と主張する根拠となっていた。
 
トランプ大統領と安倍晋三首相は9月の日米首脳会談で、農産品などの市場を開放するTAGの交渉開始で合意した。
 
4日にワシントンで演説したペンス氏は「日本と歴史的な2国間のFree Trade Agreement(FTA)交渉を始める」と述べた。発言は、動画配信サイト「ユーチューブ」でも確認できる。だが、ホワイトハウスのホームページに掲載された演説記録では、FTAという言葉の代わりに「自由貿易取り決め(free−trade deal)」と記されていた。
 
2国間交渉を重視するトランプ政権は以前からFTA締結を日本に求めており、副大統領の発言は米側の本音が飛び出した形。FTAによる大幅な関税撤廃・削減を恐れる日本の農業団体が安倍政権に反発して交渉が進まなくなることを懸念し、表現を変えたとみられる。
 
トランプ政権は対日FTAを別の表現で言い換えているにすぎず、交渉では名を捨てて実を取る構えだ。日本政府は環太平洋連携協定(TPP)などの自由化水準を上限とする立場を米側が「尊重する」ことを確認したとしているが、パーデュー米農務長官は「米国の目標は原則TPPプラスになる」と発言した。交渉の呼び名ではなく、TPPを上限とする防衛ラインを守れるかどうかが日本政府に問われている。

(2018/10/10-21:12)
時事ドットコム
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018101001111

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