他の医学部でも不適切入試の疑い 東京医大問題で国調査
2018年10月12日05時29分
https://www.asahi.com/articles/ASLBC5QZTLBCUTIL033.html?iref=comtop_8_02

 東京医科大の不正入試問題を受け、文部科学省が全国81大学の医学部医学科を対象に実施している調査で、他の大学でも不適切な入試が疑われるケースがあったことが、関係者への取材でわかった。文科省は引き続き大学側に説明や資料提出を求めており、月内に最終結果を公表する方針だ。
 文科省幹部が起訴された汚職事件をきっかけに、東京医科大では一部の受験生の点数が加算され、女子や浪人回数の多い男子が一律に不利な扱いを受けていたことが発覚した。文科省はこれを受けて他大学についても調査を開始し、男女別の合格率や、受験生によって合否判定に差をつけていないかなどについて回答を求めていた。
 9月に公表した中間報告では、多くの大学で男子の合格率が女子を上回り、過去6年間の平均では男子の合格率が女子の約1・2倍だったことが判明。また、年齢別では主に1浪が多い19歳の合格率が最も高く、20歳以上になると合格率が下がる傾向も明らかになった。ただ、東京医科大を除く大学からは、「不当に扱いに差をつけた」との回答はなかったという。
 関係者によると、文科省が個別に大学に聞き取り調査を進めたところ、不適切な入試が疑われる事例があることが発覚したという。文科省はさらに説明や資料の提出を求め、事実確認を進めている。(矢島大輔、増谷文生)