AfDのマニフェストや現党首の履歴をみた限りでは、海外メディアはともかくドイツ人からすると
極右とは言えないだろう、少なくとも小さな政府やデジタル化、規制緩和を目指している時点で現代的な政党だと言える

AfDだけでなくCDU内の保守派もそうだろうが、ビスマルクやナチスへの反発は、神聖ローマ帝国時代の
現実に存在化したか別として理想化されたキリスト教的な社会秩序への郷愁が原因だろう

神聖ローマ皇帝(ドイツ人)は、ドイツ国王、イタリア国王、オーストリア大公、ハンガリー国王、
ボヘミア国王、クロアチア国王、ブルゴーニュ公を兼任した国家郡の長であり、キリスト教国家郡の中心・守護者
という意識はドイツ人は持っている

神聖ローマ帝国はナポレオン戦争(フランス革命後の仏政権との戦争)によって廃絶したが
ドイツ人の意識的には、ナポレオン戦争後と原始共産主義が暴れまわった残滓から生まれた
ビスマルクのユンカー発軍国主義や、民主主義を否定した全体主義ナチスこそ反ドイツ的と考えるほうが自然だ

何がドイツ的かという点について日本人は、ビスマルク以前を知らぬため誤解する面もあるが
末端のドイツ人は牧歌的な田舎者であり、プロテスタント・カトリック共通で正直者が良いとの道徳的価値観を持つという印象が強い

好戦的で傲慢だが有能なユンカーが衰退した後のアイデンティティーとして、英連邦のようなハッカー的自由主義に向かう
ことも選択肢に入ったということで、悪い流れではないだろう

第4次産業革命の創造的破壊ぶりはドイツでは、日本人以上に危機意識を持っているからこそ
規制を緩和して小さい政府を目指し、小回りのきくベンチャー型の社会に移行すべきという勢力が現れたということだ