>>785

日中スワップについて、「日本企業を助けるというのが主目的であり、日本に旨味がある」と申し上げました。

財務省の報道発表や両記事の記載が事実であれば、重要なポイントは、
◾日本が米ドルではなく、円を提供するタイプの通貨スワップを提供すること
◾日本が円を提供するタイプのスワップを、為替スワップではなく通貨スワップとして
提供すること

端的に言えば、中国にとってはあまり旨味のないスワップであり、日本にとっては
非常に旨味のあるスワップである、という点です。

日本にとって旨味がある理由

すでに『日中通貨スワップを必要としているのは、残念ながら日本の側』でも
述べましたが、実は、この日中スワップ協定、日本の方に大きなメリットがあります。
それは、日本の銀行が中国本土(オンショア)で人民元建ての債券(いわゆるパンダ債
)を発行したからであり、また、これに続いて日本の金融機関が旺盛にパンダ債を発行
する可能性が濃厚だからです。

一方、裏を返して言えば、中国にとってはあまり旨味がないスワップです。
中国が主張する外貨準備高は3兆ドル、つまり約330兆円だそうですが、この規模に
比べて3兆円程度のスワップなど、いざ通貨危機が生じたら「焼け石に水」です。