「常に民意の存するところを考察すべし」。安倍晋三首相は24日の所信表明演説で、「平民宰相」と呼ばれた原敬元首相の言葉を引用し、国民の声に謙虚に耳を傾けていく姿勢をアピールした。6年近い長期政権となる中、首相は「長さゆえの慢心はないか。そうした国民の皆様の懸念にもしっかりと向き合っていく」と強調した。
 
首相の父・晋太郎元外相が「原敬日記」を愛読していた。原は南部藩出身で、初めて爵位のない平民として1918年に首相になり、日本初の本格的な政党内閣を樹立した。首相は「長さこそが、継続こそが力だ。そう思っていただけるよう一層身を引き締めて政権運営に当たる」と表明した。
 
演説は約6200字。冒頭で首相は、ノーベル医学生理学賞の受賞が決まった京都大の本庶佑特別教授の「定説を覆すことで、新たな世界が広がる」との言葉も紹介。変化の激しい時代の中での国創りに当たり、「これまでの『常識』を打ち破らなければならない」と訴えた。

(2018/10/24-14:53)
時事ドットコム
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018102400708&;g=pol