NHK札幌放送局は2日、オウム真理教の後継団体とされるアレフの取材をしていた同局放送部のディレクターが、
住民6人へインタビューした音声データをダウンロードできるサイトのURLを、誤ってアレフ本部広報にメールで送っていたと発表した。

 同局によると、ディレクターは1日午後5時ごろ、札幌市にあるアレフ施設の周辺住民らに取材した際に録音した音声データ計2時間半分の文字起こしを、
委託業者にメールで依頼。その際、データをダウンロードできるサイトのURLを、同僚の職員にも同時にメール送信しようとした。
だがこの職員のメールアドレスと頭文字が一致していたアレフのアドレスが自動的に予測変換で出て、気づかず誤送信したという。

 これまでもディレクターはアレフ側とメールのやり取りをしたことがあった。また本来は、セキュリティーが高いNHK独自のファイル転送システムを使うことになっていたが、
ディレクターは一般向けのシステムを使用していた。

 メールの誤送信後、すぐに気づいて上司に報告したが、データのファイルを開けないように処理をしたのは2日午前10時ごろだった。
「そのような処理機能があることが後で分かったため」としている。送信後、アレフ側とは接触できておらず、ファイルを実際に開きデータをダウンロードしたかは把握できないという。

 録音の一部には取材した住民個人が特定される可能性がある内容が含まれ、連絡先が分かった住民2人には連絡、謝罪した。

 高木克文・同局放送部長は「事実関係を詳しく調べた上で厳正に対処する。あってはならないことで関係者の方には深くおわび申し上げます」としている。

 同局の説明では、取材の音声データについては秘密保持契約を結んだ外部業者に委託することは日常的にあるという。

 1996年には、オウム真理教被害者の支援をしていた坂本堤弁護士一家殺害事件(89年)の発生前に、TBSのワイドショースタッフが坂本弁護士にインタビューしたビデオテープをオウム幹部に見せていたことが発覚した。
【日下部元美、安達恒太郎】

ソース
https://mainichi.jp/articles/20181103/k00/00m/040/123000c