仏教離れを防ごうと京都の伝統ある寺院が始めたあるPR作戦が、いま注目を集めています。お経から歌へ、木魚からドラムへ…。仏教普及のために結成されたお坊さんバンドを取材しました。
浄土宗の開祖・法然が晩年を過ごした地に建つ京都の知恩院。荘厳な境内では、大勢の僧侶らが修行に励んでいます。いかにも寺院という光景なのですが…
(ダンスミュージックがかかるPR動画)
派手なダンスミュージックにあわせ、まさか僧侶たちが踊るのかと思いきや…合掌。いま知恩院では、YouTubeに僧侶の意外な一面を見せる動画を公開し、再生回数は4万回に迫る勢いです。内容も自分たちで考えたもので、ツイッターなどSNS上ではすでに評判となり、南無阿弥陀仏をもじって「ナムい」と呟かれることも。
「若い方に今から『お寺、仏教はこういうものである」という小さな種をまいて、いずれそれが1人の方でも小さな芽を出せば」(総本山 知恩院 布教部 磯部孝造さん)
さらに、PRの集大成ともいえる一大イベントが控えていました。その主役が…『ぽくぽくすまいる』、知恩院の僧侶らで結成されたバンドです。
Q.木魚とドラムどちらが得意?
「もちろん僧侶ですので木魚を叩いてお念仏するのが一番」(総本山 知恩院 布教部 静永善照さん・ぽくぽくすまいるドラマー)
知恩院は浄土宗の総本山。こうした先進的な取り組みには反対の声もありそうですが…
「『大丈夫なのか?』と心配の声もいただきます。そういった方とのバランスが大変だった。ブレてはいけないので、しっかり信念を持ちながらしております」(知恩院 磯部孝造さん)
11月3日夜。ライトアップのメインイベントに「ぽくぽくすまいる」が登場です。メンバーには女性も…
曲は、かつて法然が歌い、今は浄土宗の宗歌となっている「月かげ」。
♪月かげのいたらぬさとはなけれども ながむる人の心にぞすむ♪
「バンドマンよりお坊さんの方がありがたい言葉頂いてるみたい」(参拝者)
「また来たい。また来たくなる、いい場所でした」
仏教への親しみが若者にも少し芽生えた夜となりました。
毎日放送 2018/11/05 20:36
https://www.mbs.jp/news/kansainews/20181105/GE000000000000025153.shtml