朴チョンヒ大統領が深夜の2時に一人で隠れて、ソウル
に滞在している日本側全権公使の椎名悦三郎の部屋を
訪ねた。
部屋に入れてやると、最敬礼してこう言った。
 (椎名悦三郎回顧録)

「閣下! このままでは韓国は最貧国のままで崩壊
 してしまいます」

「何卒、閣下の力で日韓条約を早急にまとめていただき、
 日本の力で韓国を救ってほしいのです」

「どうか、韓国を救うと思って、条約の早期締結をお願い
 します」

直立不動の姿勢で必死に懇願する朴チョンヒ大統領の
熱意に、椎名もなんとか韓国を助けようという気持ちに
なり、日本に戻って当時としては巨額の5億ドルの支援
をまとめたのであった。

戦後の焼け野が原から再び立ち上がって、汗水垂らして
復興に邁進して、ようやく貯めた当時の外貨が18億ドル。
その3分の1を韓国に提供したのである。