沖縄県南城市のサキタリ洞遺跡で出土した、約5500年前のものとみられる赤色顔料(中央)が付着した砂岩=共同
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沖縄県南城市のサキタリ洞遺跡で、約5500年前(縄文時代前期)とみられる赤色顔料が付着した砂岩が出土し、沖縄県立博物館・美術館が7日、発表した。九州では約1万3千年前から赤色顔料の利用が確認されており、山崎真治主任は「九州の縄文文化の影響を受けた可能性がある。双方の交流を知る発見だ」としている。

同館によると、今回の砂岩は縦約9センチ、横約7センチ、厚さ約3センチで、2011年度の発掘調査で見つかった。表面の一部に赤い粉末が付着し、蛍光エックス線分析の結果、鉄を含む赤色顔料と確認した。代表的なベンガラ系とみられる。土器に塗って使った可能性がある。

縄文時代前期は、九州から打製石器の利用やイヌの飼育といった文化が沖縄へ伝わった時期とされる。

サキタリ洞遺跡は、鍾乳洞観光などが楽しめる「ガンガラーの谷」にある。世界最古となる約2万3千年前(後期旧石器時代)の釣り針のほか、約2万3千〜2万年前(同)の貝製の加工用具や装飾品のビーズなどが見つかっている。〔共同〕

日本経済新聞 2018/11/7 18:50
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