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 長野、静岡両県警の合同捜査本部は6日、訪問販売で法令に定められた書類を交付せずに消費者と契約をしたなどとして、神奈川県内の19〜32歳の男15人を特定商取引法違反(書面不交付、虚偽書面交付、不実告知、重要事項不告知)の疑いで逮捕したと発表した。被害は、今回立件されていない分も含めると長野、静岡、千葉、埼玉、山梨の5県で少なくとも計400件、被害額は計1億円ほどになるとみられる。県内では上田市や千曲市などで数件の被害が確認されており、両県警は余罪も含めて調べている。

 逮捕容疑は、共謀して3月から8月にかけて、上田市や静岡県焼津市などで60〜90代の男女12人の住宅を訪問。「床下除湿工事が必要」などと言い、訪問販売で工事契約をする際に必要な書類を交付せず、一定期間に解約できるクーリングオフについても事前に告げなかった疑い。訪問時などには「以前工事を請け負った業者である」などとうそを言い、契約を結んだ疑いもある。

 県警生活環境課によると、12人の被害額は計約600万円。県内では上田市の90代男性1人が6月、台所や風呂場の床下の湿気について説明を受けて調湿剤をまかれ、現金108万円を支払わされた。追加の床下工事で同額を請求され、銀行で現金を払い戻そうとした際、不審に思った銀行の関係者が警察に通報したという。

 同課によると、15人はいずれも「三神建設」を名乗って犯行に及んだ。主犯格はともに横浜市の建築作業員、浦谷翔馬容疑者(27)、柳貴典容疑者(26)=韓国籍=の2人で、組織の統括や売上管理をしていたとみられる。他の13人は高齢者宅に電話をかけたり、現場の工事をしたりした。昨年6月から犯行を始め、名簿業者から入手した顧客名簿を使っていたとみられる。