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英高級百貨店「ハロッズ」で24億円買い物の女性が逮捕 横領容疑
2018/11/08 6時間前

アンガス・クロウフォード BBCニュース

英高級百貨店ハロッズで1600万ポンド(約24億円)を使い、英国で新たに施行された反汚職法に基づく「不明財産に関する命令」(UWO)の初の対象となったザミラ・ハジイェバ氏(55)が10月30日、ロンドン警視庁に逮捕された。ハジイェバ容疑者はアゼルバイジャンに引き渡される可能性も出ている。

ハジイェバ容疑者の夫は元政府系銀行員で、夫妻の出身国であるアゼルバイジャンで15年の禁錮刑が確定し服役中。
ハジイェバ容疑者自身はロンドン西部のハロッズ店舗近くにある1500万ポンド(約22億円)の自宅に住んでいた。同容疑者は先月、英国家犯罪対策庁(NCA)が出したUWOの初の対象者となった。

容疑者の弁護士はハジイェバ容疑者が「詐欺師」ではないとしている。
UWOを発令された人物は、自分の財産の出所を説明しなくてはならない。

横領で訴追

ウェストミンスター治安判事裁判所は、ハジイェバ容疑者が先週ロンドン警視庁に逮捕されたと明かした。ロンドン警視庁はアゼルバイジャンの首都バクーの当局者から同容疑者の身柄引き渡し要求を受けたという。

ハジイェバ容疑者は10月30日に自首。現在も勾留が続いている。同容疑者には横領容疑2件で訴追された。

保釈の是非を決定する公聴会で、検察はハジイェバ容疑者に国外逃亡の恐れがあるとして、同容疑者を保釈すべきでないと主張した。

ハジイェバ容疑者の弁護団は、同容疑者が明らかに「浪費家」ではあるものの「詐欺師」ではなく、国外逃亡の恐れもないだろうと反論した。

勅選弁護士のヒューゴ・キース氏は、ハジイェバ容疑者の子供たちが英国に住んでいると付け加えた。また、同容疑者はアゼルバイジャンで暴力的誘拐を生き延びて以降、10年近く英国在住だと主張した。

保釈要求も

エマ・アルバスノット地裁上級判事は、ハジイェバ容疑者が保釈される可能性はあると認めた。保釈金として50万ポンド(約7500万円)を支払うこと、ロンドン・ナイツブリッジの自宅に留まること、ロンドンの周囲を繋ぐ環状道路「M25」の外に出ないこと、警察に毎日報告すること、が条件という。
しかし検察は即時控訴したため、ハジイェバ容疑者の勾留は継続される。

控訴審の口頭弁論は、8日に高等裁判所で行われる予定。
NCAのハジイェバ容疑者に対する捜査も続いている。

NCAは先週、同容疑者の家族が所有していた40万ポンド(約6000万円)相当の宝石類を押収した。この宝石類は競売会社クリスティーズによりオークションにかけられる予定という。
(英語記事 Woman who spent £16m in Harrods arrested)