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子どもが感染し手足などまひ「急性弛緩性麻痺」に注意を
2018年11月8日 23時50分医療

主に子どもが感染して手足などがまひする「急性弛緩性麻痺」の患者数が、先月までの半年で80人以上に上り、専門家はかぜに似た症状のあとに手足に力が入らないようなまひが見られた場合は、速やかに医療機関を受診するよう呼びかけています。

「急性弛緩性麻痺」は主に子どもが発症する感染症で、発熱やせきなどのかぜに似た症状のあとに手足などにまひが起きるもので、多くの子どもにまひの後遺症が残るとされています。

「エンテロウイルスD68」などのウイルスが原因の1つではないかと疑われていますが、特定はされておらず、有効な治療法や予防法はありません。

3年前に国内で100人余りの患者の報告があったことなどをきっかけに、ことし5月から国立感染症研究所が全国の医療機関の患者数の報告を受けた結果、8月までの4か月間はひと月に多くてもおよそ10人でしたが、9月から増えはじめ、先月は28日までに42人と半年で患者数は86人に上りました。

都道府県別では、岐阜県と兵庫県が8人と最も多く、続いて東京都と愛知県が6人、福岡県で5人、埼玉県、千葉県、神奈川県、それに大阪府で4人などとなっています。

アメリカでは4年前、1000人以上感染したとされたほか、ことしは先月に100人以上の患者が報告され、CDC=疾病対策センターがアメリカ国内に警戒を呼びかけています。

国立感染症研究所の多屋馨子室長は「今後の推移を注意深く見ていく必要がある。発熱やせきなどの症状のあとに力が抜けたように手や足を動かせないなどのまひの症状が子どもに見られたら、速やかに小児科の専門医がいる医療機関を受診してほしい」と呼びかけています。