「フェミニストの女性をワニに食べさせる」というゲームのプレイムービーを公開したYouTuberがYouTubeからBANされ、その後YouTubeが「BANが間違いだった」としてアカウントを復活させるという事態が起こりました。
YouTubeが間違いを認める前には、「多くの人気ゲームには暴力の描写が含まれるため、ゲーム内の暴力を理由にBANされるという先例は危険だ」と批判が上がっていました。

問題となったゲームは、20世紀初頭、西部開拓時代の名残がある近代アメリカを舞台にしたオープンワールドのアクションアドベンチャーゲーム「レッド・デッド・リデンプション」です。
YouTubeが削除したのは、2018年10月26日に発売されたばかりの「レッド・デッド・リデンプションII」のプレイムービーでした。

ゲームのプレイ動画を多数アップロードしているYouTubeチャンネルの「Shirrako」は、10月28日に、女性の投票権を叫ぶノンプレイヤーキャラクター(NPC)をパンチするムービーをアップロード。
このムービーは記事作成時点で170万回以上も再生されています。
以下から続くムービーはかなりショッキングな映像が含まれるので注意してください。

レッド・デッド・リデンプションIIのプレイヤーは、ゲーム内の全てのキャラクターと会話することができ、プレイヤーの気分次第で相手に対して暴力的にも友好的にも振る舞えます。
このゲームは暴力的な行動を推奨するものではありませんが、過去には両手両足が縛られた女性を電車にひかせるというムービーがアップロードされたこともあるとのこと。
ニュースメディアのMotherboardの取材に対し、Shirrako氏は「女性を殴る」というムービーが偶然の産物であると語っています。

「NPCはプレイヤーをいらだたせる感じで作られていて、ゲーム内で買い物をしようとすると、NPCは叫び声で買い物を邪魔しようとしてきます。私はただ平穏に買い物がしかたっただけです」と語っており、ムービーはジョークであり政治的な意味合いはなかったとしています。
ムービーには性差別主義者からのコメントが残されましたが、Shirrako氏は「私がこれらのコメントを好きか嫌いかに関わらず、検閲をしようとする人の意見は好みません」と述べました。

その後、10月31日にShirrako氏はなわで縛った女性を馬から引きずり、最終的にワニに食べさせるというムービーを公開。
このムービーは記事作成時点で90万回以上も再生されていますが、ムービーのアップロード後にShirrako氏はYouTubeからBANされたわけです。

YouTubeはコミュニティガイドラインで「ショッキング、センセーション、あるいは無礼な方法」を含むグラフィックコンテンツ、そして「危険な行動を推奨し暴力を促す意図のコンテンツ」を禁止しています。
「女性をワニに食べさせるムービー」は、このガイドラインに抵触するとして、YouTuberはBANされたとのこと。

しかし、このようなYouTubeの行動に対し、「人気ゲームにおいて暴力的な描写は一般的であり、ゲーム内で暴力的な行動をとったからといってプラットフォームから排除するという行為は危険な前例となる」という声が上がりました。
このような批判を受けてYouTubeはBANを取り消し、YouTuberはアカウントに復活したというわけです。

Shirrako氏はこのようなムービーをYouTubeチャンネルに多数アップロードしていますが、「政治的な意味はない」という言葉どおり、対象となるキャラクターはさまざまです。
KKKのメンバーが大量に殺されることもあれば、政治家やヒトラーをモデルにしたキャラクターが殴られたり、街中のキャラクターを無差別に殴りまくるムービーもアップされています。

ただし、メディアの注目をあびたりYouTubeからBANされたりといった事態になったのは、フェミニスト女性が暴力の対象となった今回が初めてとのこと。
どのような経緯でYouTubeがShirrako氏のアカウントをBANすることになったのかは不明で、ニュースメディアThe Vergeの問い合わせに対してYouTube広報はコメントを返していないとのことです。

動画:https://youtu.be/mZ7RicfseRU?t=115

https://gigazine.net/news/20181109-youtube-ban-feminist-crocodile/