ユダヤ人襲撃「水晶の夜事件」から80年 ドイツで追悼式典
2018年11月9日 23時08分
NHKニュース
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181109/k10011705321000.html

ナチス政権下、ドイツ各地でユダヤ人が襲われ、大量虐殺「ホロコースト」につながっていった「水晶の夜事件」から80年となる9日、首都ベルリンで追悼式典が開かれ、メルケル首相は「ユダヤ人の生活は今も脅かされている」と危機感を示しました。
水晶の夜事件は、1938年の11月9日から10日にかけてドイツ各地でナチスのメンバーがユダヤ人の住宅や商店を襲って多くの人たちを殺害したもので、ホロコーストにつながっていった事件として知られています。

事件からちょうど80年となる9日、ベルリンにあるユダヤ教の礼拝所=シナゴーグでドイツのユダヤ人団体が主催して追悼式典が開かれました。

メルケル首相は「ユダヤ人がドイツでもとの生活を取り戻した一方で、ドイツでの反ユダヤ思想は根強く、生活が脅かされている」と危機感を示し、80年前の歴史を二度と繰り返すべきでないと訴えました。

ドイツでは戦後、ナチスの過去の教訓を踏まえて歴史教育に力を入れてきましたが、ことし8月に東部で極右団体の支持者による暴動が起きた際には、ユダヤ料理店も襲撃されるなど今なおユダヤ人への偏見や差別が根深く残っています。