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WTO監視機能強める改革案 日本が欧米と共同で提案
2018年11月12日 23時20分

アメリカと中国の貿易摩擦が激しさを増し、国際的な貿易ルールを取り扱うWTO=世界貿易機関の役割が問われる中、日本はアメリカなどと共同でWTOの監視機能を強める改革案を理事会に提案しました。

WTOの理事会は12日、スイスのジュネーブにある本部で始まりました。

WTOは貿易のルールが守られているかを監視し、紛争の解決にあたる国際機関ですが、中国と激しい貿易摩擦を繰り広げるアメリカは、中国の鉄鋼が政府の補助金によって過剰に生産され輸出される現状に、WTOが対応できていないと主張しています。

これを受けて、この日の理事会で日本とEU=ヨーロッパ連合はアメリカなどと共同で、WTOの機能強化に向けた改革案を提案しました。改革案では、自国の産業を優遇するために補助金を新たに作ったり増額したりする際にWTOへの報告を怠った場合には、加盟国が支払う負担金を増やすなどの罰則を設けるとしていて、中国などの新興国を念頭に置いています。

実際の運用には、中国を含めた164の国と地域すべての同意が必要なため、調整が難航する可能性もありますが、日本政府の担当者は来年中にも実施にこぎつけたいとしていて、運営に不満を募らすアメリカをつなぎ止めWTOの枠組みを維持したい考えです。