日本の一部メディアがメンバーのジミンが過去に着たTシャツのデザインを問題視し、BTS(防弾少年団)が「反日活動」をしていると報道したことによると見られる。
9日、BTSの日本版公式サイトを通して「9日予定していたミュージックステーションへの出演がキャンセルになった」と伝えた。具体的な理由などは言及されなかったが所属事務所は「残念な結果」とし「今後もよりいい音楽とステージでファンの皆様とお会いできる事を楽しみにしている」とした。
「ミュージックステーション」の公式サイトでも同日、BTS(防弾少年団)の出演見送りを伝えた。
そこで「以前にメンバーが着用していたTシャツのデザインが波紋を呼んでいる」とし「番組としてその着用の意図を尋ねるなどし、所属レコード会社と協議を進めたが、総合的に判断した結果、出演を見送ることになった」と説明した。
先月あるメディアがメンバーのジミンが着たTシャツと、光復節に書かれたRMのSNSの文章を取り上げ「反日活動をしている」と主張したのだ。
このメディアが問題視したジミンのTシャツには日本の植民地解放を受け万歳を叫ぶ人々の姿と原子爆弾が落とされた場面がプリントされていた。またTシャツには、愛国心(PATRIOTISM)、我が歴史(OURHISTORY)、解放(LIBERATION)、コリア(KOREA)などの英文が書かれていた。
またメンバーのRMは2013年の光復節(8月15日、韓国の独立記念日)に際しTwitterに「歴史を忘れた民族に未来はない。独立闘士の方々に感謝する。大韓独立万歳」という文を掲載した。
さらに過去のナチス風衣装も掘り起こされ、波紋を呼んでいる。
既にK-POPの枠を超え、世界的な評価を得るに至ったBTS。その言動は、韓国社会のみならず、世界的な影響力を持つ。逆に言えば、自身の持つ大きな影響力を自覚しているのであれば、そこに悪意はなかったとしても国際的な軋轢を生みかねない過剰なナショナリズムに類する発言には配慮すべきことのようにも思える。
「防弾少年団」の「防弾」の意味は、文字通り「弾除け」の事である。彼らのプロデューサーが名付けたこの名前には、「10代は、大人たちからの偏見や抑圧を受ける。それを我々のヒップホップで守る」という意味が込められている。
確かに世界的な成功によって、彼らは韓国社会におけるヒップホップの地位を各段に押し上げた。しかしBTSがそれに「過信」するのであれば、彼らに降り注ぐ批判の弾を、果たして最後まで防ぎきれるのだろうか。
◆BTSの政治的行動をK-POPファンはどう受け止めるのか
しかし一方で、BTSを通じた「平和外交」の話も持ち上がっている。
韓国の共に民主党の安民錫(アン・ミンソク)議員が7日、自身が委員長を務める党内の南北文化体育協力特別委員会で、来年にでもBTS(防弾少年団)の平壌公演を推進する計画であると明かした。
安議員はこの日、KBSラジオのインタビューでこのように答えた後、公演実現の可能性について「全ての道を作っていく。南北が協力さえすれば可能な事だ」と述べた。
彼は「南北が文化的統一をすれば政治的統一へと向かうきっかけを作れる」とし、「制裁が解かれるまで南北が力を合わせ文化体育芸術観光の交流を活発に行うのが民族的な課題と見ている」と付け加えた。
現在、南北は共同でのオリンピック開催を目指し始めている。
安議員は、BTSの平壌公演の他に、南北共同でのオリンピック開催の可能性についても語っている。「実現するように努力していく。先日、南北が国際オリンピック委員会(IOC)に共同オリンピック開催意向書を送った。この提案は北側から先にしてきた」とは安議員の言葉。
遅かれ早かれ、南北共同オリンピック誘致委員会が結成される。安議員は、2032年南北共同オリンピックを、2021年に決めたいとしている。開催都市はソウルと平壌。
BTSはこの活動においても主導的な役割を果たすのだろう。
たかがアイドル。されどアイドル。政治外交的な発信を始めたアイドルが、どれだけの影響力を及ぼすことが出来るのか。純粋にBTSをアイドルとして楽しみたい日本のK-POPファンからすれば痛しかゆしというところであろうが。
2018年11月14日 8時33分
HARBOR BUSINESS Online
http://news.livedoor.com/article/detail/15592457/