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絶対に非を認めないフランス人〜篠原とドュイエの柔道〜
http://www.franceplusplus.com/2016/07/david-douillet-shinohara-jyudo/
フランスには「間違えても人のせいにする」店員さんがいると書いたけれども、
フランスの店員にびっくりすること4パターン
「頑固に非を認めない」「他人のせいにする」ってのは、店員さんだけではないんです。それは、、、
フランス全体に見られる風潮というか、
反対に、「すぐ自分が悪いと言う」「深々と謝罪する」っていうのは、すごい日本的と言えるかもしれません。

“世紀の誤審”と言われ日本中を騒がせた、2000年シドニー五輪男子柔道100キロ超級決勝、
篠原信一とダビド・ドゥイエの対応の違いを覚えているでしょうか?
これこそ日本とフランスの文化の違いがはっきり見える出来事でないではないかと思うのです。
2000年シドニー五輪男子柔道100キロ超級決勝戦。金メダルをかけての戦いで、多くのファンが注目していました。

フランス人選手のダビド・ドゥイエのかけた内股を篠原がかわし、逆に内股すかしにでます。
そしてここで両者はもつれ合いながら転倒、そして、ドュイエ選手が背中をついたのです。
日本の誰もが篠原の一本を確信した瞬間!しかし、この一本は認められず試合は続行。
それどころか、主審が判定した有効はドュイエ選手側のポイントに!
結局この判定が響いたまま、試合は終了。篠原はドュイエにやぶれ銀メダルに終わります。

試合後、山下泰裕監督は30分にわたる猛抗議をしましたが判定は覆る事はありませんでした。
日本側としては、一本を確実に取っているのに、この無念。解説しながら涙するアナウンサーさえいました。
しかしながら、篠原選手は、「弱かったから負けたそれだけです」と言うのみ。
不満一つ語る事なく会場を後にしたのです。その潔よさに、日本人ファンは更に感動し、感情を動かされました。
それに対して、金メダルを手にしたドュイエは「日本の山下監督は自らの優位性を保つため疑いようのない判定に抗議してみせた」
とインタビューに答え、日本人のファンを更にイライラさせたのです。

誤審をも潔く受け入れ、自己の戦いそのものを反省する篠原。
山下が持つ自身の記録が塗り替えられるから抗議したんだ」と山下監督が個人的な事情で文句言ってるだけと言い放つドュイエ。

まさに日本人の典型と、フランス人の典型としか言いようがない。
試合後に日本では、「ドゥイエに負けを認めて欲しい」と言う署名運動が行われました。
スポーツ選手であれば、自分で本当に負けたか勝ったぐらいわかるだろう。正直に言うのが普通だろ!
しかも、抗議したからと、山下監督の名誉まで傷つけようとするなんて許せない。と思っていた日本人は多かったのです
でも、フランス人から見れば?
日本では間違いを認めることは誠実な証拠であり、非を認めないと問題視されるため、
イライラさせられることになるのですが、フランスでは反対です。

「非がある人は軽蔑の対象となり、弱者とみなされ、不当な扱いを受けたり、
全ての罪を背負わされたりぐらいの待遇を受ける」こととなるため、
何が何でもミスしたことを認めないよう、子供の時からしっかり叩き込まれてきます。

日本では「謝罪する」ことが正しい行為であり、「自分の身を守るためにもなる」
フランスでは、「自分の非を認めない」ことは、「自分の身を守る正しい行為」とまったく逆なのだとも言えます。
そういった考え方は、スポーツにも影響しています。
スポーツでは「いさぎよい」こと、「フェアプレーである」こと、「スポーツマンシップにかなう」ことが評価されますが、
しかしそういった感覚は、フランスでは
恥であり、弱者扱いにつながることもあります。