中国で「神の薬」と呼ばれるほど人気が高い日本製の処方薬を、埼玉県の医薬品卸売会社が中国人の密売グループに横流ししていた疑いがあることが、捜査関係者への取材で分かりました。大阪府警察本部は、医薬品を無許可で販売する目的で保管していたとして、社長の男らを逮捕し、密売の実態解明を進める方針です。
逮捕されたのは、埼玉県にある医薬品卸売会社の60代の社長の男ら数人です。

捜査関係者によりますと、処方箋が必要な痛風治療薬などの医薬品を、許可を受けずに病院や薬局以外の相手に販売する目的で保管していたとして、医薬品医療機器法違反の疑いが持たれています。

中国では日本製の医薬品は、“よく効く”として「神薬」=「神の薬」と呼ばれ、医師の処方箋が必要なものは特に人気が高いということです。

警察はことし5月に、SNSを利用して中国人観光客などに密売していた中国人のグループを摘発し、入手先について調べを進めた結果、埼玉県の卸売会社が仕入れた医薬品を大量に横流ししていた疑いがあることが分かったということです。

中国人への医薬品の密売をめぐって、卸売会社が摘発されるのは珍しいということで、警察は仕入れや販売の実態解明を進めることにしています。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181202/k10011731841000.html