なぜ今テレビ?アイリスオーヤマの戦略
2018年11月30日 17時00分
突然ですが、「アイリスオーヤマ」という会社の名前を聞いて、皆さんはどんな商品を思い浮かべますか?プラスチック製の収納用品、炊飯器や掃除機といった白物家電、年間1000種類もの新商品を開発し、世に送り出しています。そのアイリスオーヤマが新たに生産に乗り出したのが、テレビです。大手メーカーが相次いで生産から撤退するなか、なぜ今テレビなのでしょうか。
(仙台放送局記者 藤井美沙紀)

65インチが15万円以下
11月22日、アイリスオーヤマは、4K・8Kの本放送が始まるのを前に、テレビの販売を始めました。

テレビを置くのは、主にホームセンターに設けられた売り場です。価格は65インチの4K対応テレビが14万8000円(税抜き)。43インチは7万9800円です。中国の工場でまず3万台を生産。試験的に販売して消費者のニーズを把握したうえで、本格的に生産を始める計画です。

どうやって価格を下げるのか
他社の製品に比べて価格の水準はどうなのか、家電量販店のホームページで調べてみました。すると、私が調べた量販店では、ソニーやパナソニックなどの65インチの4K対応テレビはおよそ25万円でした。アイリスオーヤマのテレビと10万円違います。なぜ、この価格を実現できたのでしょうか。

そこには、ものづくりにあたって会社が重視する「引き算の哲学」という考え方があります。アイリスオーヤマは、あらゆる製品を開発する際、どんな製品を作るかではなく、価格をいくらにするかから決めます。その価格を実現するため、「あれば便利だけど無くてもなんとかなる機能」は、あえて省きます。

テレビの場合、映像の美しさにはこだわりました。その一方、インターネットへの接続や番組を録画するためのハードディスクなどは、消費者が最優先に求める機能でないと省きました。こうして美しい画像と低価格を両立させたのです。

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