政府は2019年度予算案に計上する沖縄振興費について、3000億円台を確保し、今年度(3010億円)と同規模とする調整に入った。振興費は翁長雄志前知事時代から減額傾向だったが、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設工事が本格化する中、県民の反発に配慮して大幅な減額を避ける判断に傾いた。

 10月の玉城デニー知事就任後、政府と県の辺野古移設を巡る集中協議が平行線をたどった。政府は県の反対を押し切って、14日に埋め立て予定海域への土砂投入を始めると通告し、対立が激化している。

 一方、県側は振興費について、180億円増だった夏の概算要求(3190億円)の満額確保を要求しているが、政府関係者は「大幅に上げる理由がない」と応じない方針だ。

 ただ、来年は自民党が沖縄選挙区で議席奪還を目指す参院選も控え、安倍政権は移設工事による県民感情の悪化を懸念する。政府が14〜21年度に毎年3000億円台の振興費を確保する方針を示していることもあり、政権幹部は「知事が代わっても3000億円の一線は守る」と語った。

 振興費は仲井真弘多知事時代の14年度に3501億円まで積み増したが、同年12月、辺野古移設に反対する翁長前知事が就任。政府は15年度に3340億円へ減額し、17、18年度でさらに減額していた。

12/5(水) 9:19
毎日新聞
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