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・カラスによるごみの散乱や糞害対策に悩む松山市は、天敵・タカを使った一掃作戦を実施
・カラスは数で対抗しようと大きな鳴き声を上げ威嚇
・来年3月まで8回パトロールを行いカラスに危機意識を植え付ける

■ごみの散乱とフンの被害
愛媛県松山市中心部の繁華街では、上空を我が物顔で飛び回るカラスたちが、ゴミを食べ散らかしたりフンをまき散らしたりと、
10年以上前から問題となっている。
そんなカラスの群れを撃退しようと、ある鳥が投入された。

■天敵を使った“粋”な作戦
食料を求めて特に冬場は市内の繁華街に多く集結するカラス。
そんなカラスを街から一掃しようと今回行われたのが、天敵を使った“粋”な作戦。
その重要な任務を任せられたのが、猛禽類タカの一種ハリスホークのオス、その名も「粋(すい)」。
タカは鳥類の食物連鎖の頂点に君臨し、鳥たちが最も恐れる存在だ。

午後4時半、市役所近くのビルに集まってきたカラスの集団に向かって「粋」が放たれると、天敵の出現にカラスたちは逃げながらも、
数で対抗しようと大きな鳴き声を上げ威嚇。
何度かタカを放つうちに、相手はたった1羽と“タカをくくった”のか、無数のカラスが集まってくる事態に。

異常な空の様子に松山市役所環境モデル都市推進課・伊藤智祥さんは、
「すごい驚きの光景ですね。ナワバリに入ってきたので、カラスも必死にタカを追い払おうとしているみたい」と話す。

■たった一羽で群れに挑む
しかし、威嚇に全く動じないタカにカラスたちは次第に城山の方向へと逃げて行った。
このあと、市内中心部の巡回パトロールも行われたが、鷹匠の安井さんによると、カラスは賢く、一度飛ばしただけでは警戒心が薄れるため、
来年3月までに8回パトロールを行いカラスに危機意識を植え付けたいとしている。

鷹匠・安井寛さんは、
「夜でも鷹がたまに飛んでくるとなると、わざわざそこに来なくなり、少しずつ数が減ってくる」と話す。


■来年3月までに8回パトロール
市はこれまで照射器で強い光をあてたり天敵の鳴き声を出す機械を使ったりなどしてカラスの撃退を目指してきたが、効果は薄く、
タカの活躍に期待を寄せている。

松山市役所環境モデル都市推進課・伊藤智祥さんは、
「カラスによるごみの散乱の対策として、ネットを張ったりバケツを置いたりしていただいているが、カラスが少なくなれば、
そうした景観も含めて良くなるので、効果を期待している」としている。

松山市は、来年3月末までに8回の追い払い作戦を実施する予定だ。