準強制わいせつ容疑で逮捕された整体師の藤岡猛容疑者は、周囲に人がいない状況で女性患者の胸を触ったり、自身の陰部を押しつけたりするなどのわいせつな行為を繰り返した疑いが持たれている。最近は女性にも整体や個室マッサージの人気が高まっているが、施術と思い込ませることで抵抗しづらくし、わいせつな行為に及ぶケースが後を絶たず、整体師らが逮捕される事件も相次いでいる。

 準強制わいせつ罪は、相手を抵抗困難な状態にした上でのわいせつな行為に適用される。酒や薬物を使用する手口が多いが、今回の事件では施術を装って診療台に女性を横たえ、抵抗しづらい状況を作っていた。

 後の捜査では「声が出なかった」「びっくりして動けなかった」などと証言する被害者もいたが、被害にあった当時は施術と思い込まされていることから、すぐに被害申告をしなかった例も多い。

 触り方を不審に思い、施術を拒否した女性もおり、こうした場合には藤岡容疑者はわいせつな行為をやめていたという。ある捜査関係者は「声を上げられない女性を狙っており、卑劣だ」と指摘する。

 整体やマッサージでは密室で体を触ることが多く、女性が抵抗できないのに乗じ、わいせつな行為をする事件はこれまでにも起きている。

 警視庁は5月、準強制わいせつ容疑で柔道整復師の30代の男を逮捕。男はホームページで「女性専用」「プライベートサロン」などとうたい、1人で整体院を経営していた。

 同月に奈良県警が準強制わいせつ容疑で逮捕した40代の男は、施術と称して女性患者の下半身を触るなどしていたほか、着替えを盗撮。奈良地裁で懲役3年執行猶予5年の有罪判決を受けた。

https://www.sankei.com/affairs/news/181206/afr1812060014-n1.html