パイロットによる飲酒の問題が相次ぐ中、全日空と日本航空が過去の乗務前の検査について調べたところ、感知器を使ったアルコール検査を行わないまま乗務したケースが、それぞれ100件以上相次いでいたことが分かりました。

パイロットによる飲酒問題で先月、国土交通省の立ち入り検査を受けた全日空と日本航空は、過去の乗務前の検査について改めてパイロットへの聞き取りをしました。

その結果、アルコール感知器を使った検査を行わずに乗務したケースが相次いでいたことが分かりました。

全日空では、羽田空港で先月までの1年間に検査を行っていなかったケースが393件ありました。

聞き取りに対してパイロットは、乗務する便が急きょ変更になり慌てていたことや、別のパイロットが検査中だったため、あとで検査しようとして忘れてしまったことなどが理由だと話しているということです。

全日空は「今後は別の担当者を立ち会わせて検査を行うよう徹底する」としています。

日本航空でも、記録が残る感知器を導入した去年8月以降、検査を行っていなかったケースが100件から200件程度あったということで、さらに確認を進めているとしています。

国土交通省は、こうした検査の実態も踏まえて行政処分を含めた対応を検討しています。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181206/k10011737291000.html