https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-46466018

水が足りない――そんなディストピアがすでに現実に? インドの場合
2018/12/06 3時間前

インドでは多くの地域で、水不足が長く続いている。そんな中、西部マハーラーシュトラ州の都市プネは、少し変わった方法でこの問題に取り組んでいる。BBCのギータ・パンディ記者が報告する。

私たちが心配しているディストピア的な未来は、すでに現実になっている。

プネ市内では、お客さんに水を出す時、コップに半分しか入れないレストランが増えている。

完全な菜食主義レストラン「カリンガ」で、夫妻が席に案内された。するとウェイターが席に来て、水は欲しいかと尋ねる。
「はいと答えたら、ウェイターはコップ半分の水をくれました」と、ガウリプジャ・マンゲシュカルさんは言う。「私だけかと思ったのですが、見ていたら、夫にもコップ半分しか水を注ぎませんでした」。

マンゲシュカルさんは、本当にコップに水が半分しか入っていないのか、それとも半分も入っているのか、しばし考えた。しかし半分の水が出された理由は、特に実存的な命題とかそいういうことではなかった。

プネ市当局は1カ月前、水の供給を削減すると発表した。以来、市内の400軒近いレストランでは、水の使用量を減らすため、コップに入れる水を半分にしたのだ。


「カリンガ」のオーナー、プネ市内のレストラン・ホテル経営者組織の会長でもあるガネーシュ・シャティさんはBBCに、節水のため大規模な計画を練ったと話した。

「水を提供するときはコップ半分だけ。頼まれない限り、継ぎ足しません。残った水はリサイクルして、植物の水やりや床掃除に使います」とシェティさんは説明した。「使う水の量が少ない便器に替えたところも多いし、水採取設備も設置しました。スタッフには水の使用を最小限にするよう指示しています」。

カリンガには1日約800人が来店する。水をコップ半分にすることで1日に約800リットルを節水できるとシャティさんは話す。
「一滴一滴が貴重です。未来のためには今すぐ行動しなければいけません」

創業83年になる宿泊施設プーナ・ゲスト・ハウスのオーナー、キショール・サルポトダルさんは、スチール製の低いタンブラーグラスを見せてくれた。以前使っていた背の高いコップに差し替えたという。サルポトダルさんは、レストランで水をコップ半分にするだけでなく、コップのサイズも小さくしたのだ。
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