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今年の一皿は「さば」 美容や健康への関心で人気に
2018年12月6日 14時33分

この1年話題となり、世相を反映した「食」を選ぶ「今年の一皿」が発表され、美容や健康への関心を背景に人気が高まった「さば」が選ばれました。

「今年の一皿」は、飲食店情報の調査会社「ぐるなび総研」がインターネットでの検索数やアンケートなどをもとにその1年を象徴する「食」を選んでいるもので、ことしで5回目となります。

今回は、高級食パン、国産レモン、さば、しびれ料理の4つがノミネートされ、選考の結果、「さば」が選ばれました。

選考の理由について、調査会社では健康や美容ブームを背景に中性脂肪を減らす効果や美肌効果があるとされるDHAやEPA、それにビタミンB2などが豊富に含まれる食材として注目を集め、ことしに入って検索数が急上昇したとしています。

特に、さばの缶詰は働く女性が増える中で、下処理が必要なく、手早く調理できるいわゆる「時短料理」に使えるとして人気が高まったほか、災害が相次いだ影響で家庭で備蓄する非常食としても見直されたとしています。

また、準大賞には猛暑だった夏にSNSで話題を集めたとして、本格的なスパイスを使った舌がしびれるほど辛い料理=「しびれ料理」が選ばれました。

人気けん引 さばの缶詰

人気をけん引したのが、さばの缶詰です。

大手食品メーカーの「マルハニチロ」では、ことしに入ってから10月末までのさばの缶詰の販売個数が去年の1.6倍に急増しています。

特に若い女性が買い求めるケースが増えているということで、定番の水煮やみそ煮に加えて、ことし3月には女性を主なターゲットに、トマトソースを使ったものやカレーで煮込んだ新商品も発売しました。

缶の見た目も女性を意識してヨーロッパ風の食器をイメージするなど、デザインにも工夫をこらしています。

会社では、働く女性が増加する中、下処理が必要なく手早く調理できることが人気につながったと見ていて、ホームページでさばの缶詰を使ったいわゆる「時短レシピ」も紹介しています。

一方で、急速に人気が高まったことで、缶詰に適した比較的小さいさばが不足して仕入れ価格が上昇したため、ことし9月にさばの缶詰の大半の商品をおよそ10%値上せざるをえなかったということです。

マルハニチロのグロッサリー事業部の天野秀隆部長は「さばの缶詰は酒のつまみのイメージが強かったが、若い女性にも客層が広がり、驚いている。急激な需要の拡大で各社ともさばの確保に四苦八苦している状況だ」と話しています。
(リンク先に続きあり)

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