青森のブランドマグロ、「大間のマグロ」が記録的不漁。
すし店から、悲鳴が上がっている。

ピンク色の身に、キラキラと光る脂。
青森・大間町で水揚げされた、大間のマグロを使った握り。

別名「黒いダイヤ」などと呼ばれる、クロマグロ。

特に大間のマグロは、2018年1月の初競りで、405kgのマグロ1匹が3,645万円で競り落とされるほど、人気の高さを誇る。

しかし今、その大間のマグロが大ピンチだという。

寿司孝 本店・杉田慎吾板長は、「本当に品薄状態です。12月になって、さらにとれないみたいで、全くない状態らしいです」と話した。

大間のマグロを中心としたメニューが評判の「寿司孝 本店」では、例年9月に入荷する大間のマグロが、2018年はなかなか入らず、12月になってようやく入荷した。

秋以降、記録的な不漁が続いていて、大間町漁協によると、11月末までの累計漁獲量が2017年のおよそ3分の1と、大幅に減少しているという。

そもそも、絶滅のおそれがあるとして、2015年から1年間の漁獲量に制限が設けられているクロマグロ。

大間の漁師たちは、より値段が上がる冬場の漁獲分を残すため、苦肉の策として、夏場はあえて、漁に出る日数を減らしていた。

しかし、冬場もマグロがとれない。
なぜ、勝負をかける冬場になってもマグロがとれないのか。

大間漁協では、餌となるイカなどが減少していることが大きな原因だとみている。

近畿大学・熊井英水名誉教授は、「海流の状況とか、あるいは餌を追って回遊してるから、その餌がないとか、そういったいろんな条件が重なってると思うが、もともと資源が非常に少ないということ」と話した。

もともと数が少ないうえに、世界中で乱獲したことにより、クロマグロの数が減っていることが根本的な原因だと指摘する。

この状況に、都内のお店も頭を抱えていた。

毎年、大間のマグロを扱っているという、鮮魚店「尾山台いちば 魚辰」・大武浩さんは、「(大間マグロの仕入れは?)ことしは非常に水揚げが少ないので、問屋さんもお金を出して、どうにか買っているが、高すぎるので、わたしども鮮魚店には、なかなか分けていただけない状況です」と話した。

現在は、別の場所でとれた天然本マグロや養殖のマグロなどを販売しているが、大間のマグロの入荷は未定だという。

ひいきの仲買人から、大間のマグロをなんとか仕入れたという、「寿司孝 本店」・杉田板長も、「できるだけ大間マグロを仕入れるようにはしたいと思うけど、今回は、たぶん(今ある分は)今月いっぱい持たないと思う」と話した。

大間だけでなく、世界的に数が減少しているクロマグロ。

近畿大学の熊井名誉教授は、現在行っている漁獲量制限を今後も続けることが解決策だとしている。

フジテレビ 12/12(水) 20:47
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