経団連は19日、2019年の春闘指針案を取りまとめ、18年春闘で政府の要請を受けて盛り込んだ賃上げの具体的な数値目標を削除する方針を固めた。経団連として、「賃上げは経営側と労働側の折衝だ」(中西宏明会長)との姿勢を明確に示すのが狙いで、指針には「官製春闘」と呼ばれることへの嫌悪感も具体的に書き込む見通し。安倍晋三首相は19日時点で経済界に対して正式に賃上げ要請をしておらず、19年春闘はこれまで5年連続で続いてきた「官製春闘」の転換点となる可能性がある。

経団連は同日午前に開いた幹部会合で、経営側の交渉指針となる「経営労働政策特別委員会報告」(経労委報告)について議論した。来年1月に正式決定して公表する。

18年春闘では、安倍首相がデフレ脱却に向けて3%の賃上げを求めたことを踏まえ、指針で「『3%賃上げ』との社会的期待を意識しながら、自社の収益に見合った前向きな検討が望まれる」と明記していた。19年春闘の指針では数値目標は削除し、景気動向や企業業績、雇用の維持などの観点を踏まえ、各社の収益に見合った前向きな検討をするよう呼び掛ける。賃上げの方法としては、基本給を一律に底上げするベースアップ(ベア)のほか、賞与・一時金や手当など幅広い手法を選択肢とする。

数値目標を削除するとともに、官製春闘と呼ばれていることへの嫌悪感を盛り込むことで、経団連としては経営者と労働組合が自律的に交渉する本来の春闘への回帰を加速させたい考えだ。安倍首相に言われなくても、継続して多くの企業が賃上げに取り組むことができるかどうか、経団連のリーダーシップが試されることにもなりそうだ。

安倍首相は14年春闘から経済界に対して、賃上げを要請。19年春闘については、10月に菅義偉官房長官が経団連幹部との会合で「来年の消費税の引き上げを踏まえて一層の努力を期待したい」と賃上げを要請している。【横山三加子】

12/20(木) 9:42
毎日新聞
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