>>971
三浦事件の損害認定は高裁がやっているわけですが、この判旨を見る限り別個の損害といえるには
別個の事実の記載があるとか、その名誉棄損行為の読み手が異なるといった事情が必要なようですね。

平成8年4月26日東京高等裁判所
被控訴人が訴外東京スポーツ新聞社の掲載した記事に関する名誉毀損に関して東京地方裁判所で損害金と遅延損害金の給付を命ずる判決を得て、同新聞社よりその支払いを受けたことを認めることができる。
しかし、右乙第一二号証によれば、
右判決の対象となった記事は、一部本件記事と同一事実に関するものではあるが、他の事実に関する摘示も含んでいるものである上に、
乙第七号証、第一一号証及び弁論の全趣旨によれば、
東京スポーツ新聞社の発行する東京スポーツと中国新聞社発行の中国新聞及び秋田魁新報社発行の秋田魁新報とは主たる頒布地域を同一とするものではなく、
それぞれの新聞に同趣旨の記事を掲載したことにより受ける名誉毀損の被害は別の読者との関係で生ずるものであるから、
一方による損害金の給付を受けたからといって、他方の損害が填補される関係にあるということはできない