全国漁業協同組合連合会(全漁連)の大森敏弘常務理事が共同通信のインタビューに応じ、東京電力福島第一原発で汚染水を浄化処理した後に残る放射性物質トリチウムを含んだ水の処分について「海洋放出には反対だ。地上で保管を続けるべきだ」と述べた。政府や東電は海洋放出など複数の処分方法を検討しているが、全国組織の漁業者団体が反対姿勢を明確にしたことで処分方法の決定に向けた議論に影響を与えそうだ。

 トリチウムの処理水については、政府の小委員会が海洋放出を含めた五つの処分方法の絞り込みに向けた検討を進め、海洋放出が有力視されている。大森氏はこれまで汚染水対策に「漁業者として協力できることは協力してきた」と強調した上で「結論ありきで強引に進めるなら、私たちとしても厳しく立ち上がらなければならない」と抗議する構えを見せた。また、今年八月にタンクに保管中の処理水で、取り除いたはずのトリチウム以外の放射性物質濃度が基準値を上回っていたことも判明。大森氏は「小委員会の議論の前提が崩れた」と指摘し、処理水を処分する選択肢に長期保管を加えた上で、議論し直すべきだと強調した。

 トリチウムは人体への影響は極めて軽微とされ、通常の原発でも海に排出している。原子力規制委員会の更田豊志(ふけたとよし)委員長はタンクでの長期貯蔵が廃炉作業に影響を与えると懸念を示し、処理水を海洋放出するよう東電に求めている。

 一方、福島県の漁業は試験操業が続き、本格再開に至っていない。海外では韓国や中国など二十五カ国、地域が福島県をはじめ幅広い地域の水産物や農産物の輸入の停止や規制を継続しており、風評被害が根強い現状がある。

http://amp.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201812/CK2018122802000134.html
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政府小委員会「放射性物質の残った処理水を一旦海に流してから濃度測定して結果公表してみない?」「基準値上回ったら止めよう」
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