防犯効果が高いとされる自動車のスマートキーの電波を悪用して車を盗む「リレーアタック」という手口での盗難被害が増えている。
大阪市や東大阪市でこの手口で車を盗まれたり、盗まれそうになったりする被害が数件続いており、大阪府警は警戒を強めている。

 スマートキーは鍵から出る微弱な電波を車が受信し、ワンタッチでドアの開閉やエンジン始動ができる仕組み。
電波は1〜1.5メートルしか届かず、それ以上離れれば開錠できないため、通常の鍵より防犯効果が高いと普及が進んでいる。

 リレーアタックは、この微弱電波を特殊な機器で拾い、車の近くで待機する仲間の機器まで中継。
電波を受信させて車を動かし、乗り去るというもの。防犯コンサルティングの「日本防犯設備」(東京都)によると、
中国製などの機器が出回り、欧米を中心に被害が拡大。国内でもここ1〜2年、各地で被害が出始めた。

 犯人グループは車から離れた運転手を尾行して電波を拾うほか、玄関や窓から漏れる電波を使うこともあるため、
家の車庫でも油断はできない。東大阪市で自宅に止めていた高級車を盗まれそうになった男性のケースでは、
防犯カメラに発信機などを抱えた不審な人物が撮影されていた。

 被害を防ぐには、車を離れる際に不審者がいないか確認し、電波を傍受されないようにする必要がある。
同社の防犯設備士北沢実さんは
「電波を遮断するキーケースも市販されているし、自宅では鍵を電波を通さない金属缶に入れて保管することも有効だ」と呼び掛けている。

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JIJI.COM 2019年01月05日18時52分
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