極端に手先が不器用だったり運動が苦手だったりする「発達性協調運動障害(DCD)」への理解を広める動きが、京都などの教育現場で出始めている。発達障害の一種だが認知度が低く、周囲の無理解のために本人が傷ついたり、教員が対応に苦慮したりするケースがあるためだ。教員らは作業療法士からアドバイスを受けるなどして、知識や対応を学んでいる。

■周囲の無理解がいじめにも

昨年11月。京都市左京区の京都大医学研究科を訪ねると、DCDのある同区の養徳小6年山本詩己(うみ)君(11)が、同科の加藤寿宏准教授から、活動を楽しみながら運動機能の発達を促す作業療法を受けていた。天井からぶら下がる遊具に乗り、クッションを投げたり受け取ったりする。
山本君は幼少期から不器用さと運動の不得意が目立った。作業療法を受けるまでは、靴ひもが結べない、キャッチボールができない、手すりを持たずに階段を下りられないなど、日常の活動に支障があった。母親(42)は「苦手意識も強くなり、息子も私もどうしたらいいのか分からなかった」と振り返る。
DCDは専門家の間では知られているが、社会的な理解は進んでいない。加藤准教授は「自閉症などほかの発達障害との併存がよく見られるが、その場合はDCDの診断名を付けない決まりが2013年まであったことと、不器用さは本人の困りごとと捉えられがちであることが原因ではないか」と推測する。
だが近年、周囲の無理解が、子どもの情緒や発達に悪影響を及ぼしたり、いじめにつながったりすることが研究などで分かってきた。図工や体育、楽器を扱う音楽の授業などで劣等感を抱いたり、同級生からからかわれたりするためだ。映画ハリー・ポッターシリーズの主演俳優ダニエル・ラドクリフさんはDCDであることを公表し、学校生活では上手にできることがなく、つらかったと経験を語っている。山本君も「以前は体育が嫌だった」と打ち明ける。
教員もDCDの子どもへの対応に苦慮してきた。京都市教育委員会などによると、障害とは知らず、整った文字が書けない子どもに繰り返し書字の練習をさせる、姿勢を保てない子どもに厳しく注意する、といったこともあったという。


■研修で教員の理解深める
学校現場での理解を深めようと、京都府や京都市の教育委員会は教員に対して研修会を開いたり、学校が作業療法士から助言をもらったりしている。
市教委は昨年10月、下京区の市総合教育センターに教員約200人を集めて研修会を開催した。講師の加藤准教授がDCDの基礎知識に加え、書字がうまくいかない子どもには紙の下に紙やすりを敷いて書きやすくするといった改善法について話した。最後に「不器用さは周りが思っている以上に、本人にとっては深刻な問題。自己否定感につながりやすい障害だと十分に認識し、指導してほしい」と強調すると、教員らは熱心にメモを取っていた。

ソース/京都新聞社
https://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20190107000111

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【教育】靴ひも結べない、球技が苦手・・・認知度低い「不器用」な発達障害★2
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